|
「川久」は置屋とお茶屋を営み、その一角でバーも経営するパーフェクトな大人の社交場だ。玄関を入ってすぐの小部屋は、もともとお茶屋に来られた客の「待合い」の場だったが、20年くらい前から「ホームバー
かわひさ」として発足。今では一見さんでも気軽に花街の雰囲気を楽しめる憩いのスペースになった。
さて、バーの店内は、緩やかにカーブを描くカウンターに堀炬燵式の和風席。10名も入れば満員になるけれど、時には心持ち譲り合い、みんなが「袖摺り合う仲」で和気藹々になることも。そして、カウンターに立つ「お父さん」と呼ばれる河村一明さんとは。この日は大島をきりっと着こなしてカメラの前に登場。第一印象は「何と粋な人なんだろう…」と正直思う。「ん〜、着物は襟もとが肝心なんや」ニコッと笑いながら姿勢を正し「うん、よう映ってる」とキメられたあたりから場の雰囲気が和らいできた。案外、お茶目な人なのだ。ここでは毎夜、いろんな言葉が行き交ったり、カラオケで歌ったり人それぞれの楽しみ方がある。
時にはお父さんの謡曲まで飛び出すこともあり、外のお座敷から帰ってきた舞・芸妓さんが顔をのぞかせることもあるそう。「川久」には舞・芸妓さん各2名、地方さん1名がいるので場合によってはホームバーからお座敷への移動も可能(舞・芸妓さんのお花代は1時間1万1000円〜1万2000円)なのだ。
では、気になるバーでのお代は…約2時間、付き出しとフリードリンクで8000円と明確。これなら安心して緩やかな時間を楽しめる。一人一人への心配りを間近に感じながら花街の暮らしを訊ねるも良し、京都の未来を語るも良し。お父さんの柔らかな京ことばと笑顔はいつも万人の心を惹きつけ、雅な花街の特別な夜へと誘ってくれる。宮川町の石畳に夜のとばりが降りる頃、カラカラと開けた格子戸の向こうで「今夜はどんなお話が弾むんどすやろなぁ」
も良し、京都の未来を語るも良し。お父さんの柔らかな京ことばと笑顔はいつも万人の心を惹きつけ、雅な花街の特別な夜へと誘ってくれる。宮川町の石畳に夜のとばりが降りる頃、カラカラと開けた格子戸の向こうで「今夜はどんなお話が弾むんどすやろなぁ」
|